レンガタイルのお話②


レンガタイルのお話①で書きましたが、当院で使用されるレンガタイルは、建築士さんがこだわって設計してくださっています。 

前回はタイルの選択と焼き上がりについて、今回はタイル割りについてです。 


今回はレンガを使用しているある建物をモチーフにしており、それに近づけようとするとたくさん考えなければいけないことがあることを知りました。 

タイルを使った外壁はペタペタと互い違いにタイルを貼り付けていけば良いものだと思っていましたが、「タイル割り」という用語を知り、そう簡単なものではないことを知りました。 


「タイル割り」とはタイルを貼るための設計図のようなもので、タイルの大きさ、目地の幅を実際に図面に落とし込んで、建物の端の部分などに使うタイル幅がピッタリになりようにシミュレーションするもののようです。 

今回の建物はそのタイル割が一般的な建物より難易度が高いようで、その理由は 「レンガタイルを使用して、レンガ造の建物を再現しようとしていること」 にあるようです。 

じゃぁ、レンガを使えばいいじゃないの! という話になりますが、それが困ったことに予算が少ないせいで、それができなかったのです・・・。 

なので、レンガタイルとなりました。 

それが、建築士さんと工務店さんに多大なご労力をおかけすることになっています・・・。 


レンガタイルとレンガの違い、レンガはもともと構造材として建物を支えるために使われていたので、レンガを実際に組み上げていく場合はあるルールに従った見た目になるのですが、 レンガタイルは装飾のためのものなので、そのルールを無視して自由にどんな風にも貼り付けられるそうです。 

つまり、見る人が見れば、 

「レンガ風だけど、変だ・・・」 

と違和感を感じることになるのです。 

最初はその違いに気づきませんでしたが、建築士さんと打ち合わせをしているうちに、街中の建物のありとあらゆるタイルの貼り方が気になるようになり、そして、とうとうその違いがわかるようになってしまいました。 

知らない幸せもあるかもしれませんが、知ってしまいました…。 

もう戻れません…。 


また、今回は「オランダ積み」というレンガの積み方を再現しようとしています。 

長細いレンガを横に並べた列と縦に並べた列が交互に積み重なっていく方法のようです。 

そうすると、平面の部分のルールは比較的単純なのですが、建物の角の部分でレンガが積まれる方向の切り返しがあり、そこでルールが複雑になるのです。

窓など、その他レンガが終わる部分もそうらしいです。 

そんなの、誰が気づくのかしら? と思うかもしれませんが、 

まさに 「魂は細部に宿る」 


木造でコストの問題もあるため、レンガ造の建物を完全に再現するのは難しいそうですが、 そんな制限があるなか細部までこだわりぬいた設計をしていただいている建築士さん、それを施工していただいている工務店さんに感謝です。 


*写真はオランダ積みの建物。長い年月を経たレンガの風合い、良いですね。もちろん当院ではありません…。 

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